鳥取県若桜町小船
『日本の滝百選』 台風21号の爪痕が酷かったが、なんとか美瀑を見ることが出来た。
日本の滝から
かつて幻の滝と呼ばれた秘瀑で、氷ノ山(1,510m)の山中、久曽木谷川上流を威風堂々と落ちる。
上段で幅を10mに広げた流れが下段で綾を織りなすように白水をかける姿は実に美しく、今後注目されるべき存在の滝になるだろう。(以下、省略)
久曽木大滝
ネットでの情報は沢登りが多く、遊歩道を歩く情報が少なかった。なので沢沿いにはマーキングテープが多く見られ、下見の時にはこのマーキングに惑わされた。
幸い、先行して滝見されていた ”山登りを楽しもう”さんから的確なアドバイスと参考地図を頂くことが出来て、今回は台風の被害を覗けば難無く滝に行けることが出来た。
今日の滝見は2つだけ
久曽木大滝 ⇒ 大海里の滝
久曽木大滝 (落差47m)
”久曽木大滝”へは先週の10/17に下見をしたが、林道分岐から間違った林道に入ってしまい下見にも成らなかった。そこで最近 ”久曽木大滝”へ行かれている
”山歩きを楽しもう!”さんにアドバイスと参考地図を頂き、これを元にして滝へ到達することが出来た。
判ってしまえば簡単で林道分岐を左側の林道に入れば、後はひたすら進むだけであるが、ポイントとしては2回の高巻き、1回の渡渉を覚えておけば道迷いは少なくなると思う。
くそぎおおたき
往路:1時間30分
滝見:22分
復路:1時間12分
下見時と同じく別荘地奥の駐車場に車を停める。駐車場の奥から林道をショート
カットすることが出来るが、下見では林道を歩いても時間は変わらなかった。
8時22分に駐車場から歩き始めるが、陽当たりを考えるとこの時間は早過ぎた。
駐車場に立っている看板には滝まで徒歩約50分と書かれてい
るが、これは遊歩道の状態が良い時によそ見せずに歩いた時間
だと思われる。途中の滝群を楽しみながらの歩きでは絶対にこの時間では到達出来ない。
林道を歩き始めると前回の下見時より路面に土石が多く乗っていた。10分程歩くと林道分岐となったが、進むべき林道は台風21号の影響で林道自体が沢のように様変わりしていた。分岐は土石流で埋まってしまっていた。
この写真は9日前に下見に来た時のもの。左の林道も右の林道も綺麗な状態だった。左の林道に入ることが判ればしめたもので、後はひたすら歩くだけとなるが、下見の時点ではこれが判らなかった。
林道は台風による豪雨で削られ、林道とは思えない状態になっていた。この先の状態が気になってしまうが、行ける所まで行くことにする。
林道途中から前回、下見時に引き返した林道を横断する沢を見る。あの時、ここで引返したが、既に間違った林道に入っていたので、深追いしていれば長時間の迷走をしたことになっていただろう。沢沿いの上流、下流にはマーキングテープが多く混乱を招く。
本来の状態だと思われる林道を進んで行くと、20分で林道終点に出るが、林道終点の写真は撮り忘れた。
林道を削り取った源流を見ることが出来た。通常は水が流れいないと思われるが
枝沢からの滝が出来ていた。台風の豪雨での流木が林道に山となって残っていた。流木帯を乗り越えて右側に進む。
沢沿いに伸びる遊歩道はかなり荒れてはいるが雰囲気は残している。
天気は良いのだが早い時間なのでお陽さんはまだ山影になってしまっている。
林道終点からは昔の遊歩道となるが、道は落葉が堆積してかなり不鮮明であるが判らないことはない。
沢には小滝群が見られる様になる。
前方に堰堤が見えて来た。頂いた地図には堰堤の位置が
載っているので自位置を知るのには便利であった。
36分にて興醒めな堰堤横を通る。
台風21号、その後の昨日の雨で水量は普段よりかなり多いと思われる。
”五段の滝”(仮称)が見える所で遊歩道が無くなる。この滝だけでも滝見に来た価値がある。目の前は崖なので少し引き返して高巻きに入る。
パッと見、四段に見えるが上部の小さい滝を含めると5段はあった。
今日は水量が多い様に思われるので、渡渉が出来るのか、滝水が多過ぎないかの心配をしてしまう。
ここにも枝沢からの土石流があったが、これは今回の台風21号のものではなく、以前からあったように思われる。
高巻きから眼下の沢を覗く。沢には滝があるのでは? と気になるが、高巻きの遊歩道から外れない様にする。
右岸の斜面をジグを切って高巻きに入る。
注意して見れば所々に赤いテープのマーキングがある。
高巻きから沢の滝を見に少し下ると道を見失い、枝沢にぶち当たってしまう。
枝沢を沢登りして元の遊歩道に戻る。
高巻きが終わると樹林の奥に ”夫婦滝”(仮称)が見えて来た。
沢に下りて正面から滝見したかったが、まだ陽が当たっていないので復路時に回すことにする。
大きな滝が見えたので沢に下りて見る。
昔は林道であっただろう広い道に出る。
複雑に流れ込む ”四筋の滝”(仮称)を見ると水量の多さを感じた。
1時間25分にて左岸に渡渉する。長靴を履いて来たので問題なく渡れた。
左岸に渡れば踏み跡が無くなるが、右側を歩いて行けば大滝に達することが出来る。
寄り道が多く時間が掛かってしまったが、1時間30分にて ”久曽木大滝”(落差47m)の滝壺に着く。
山は標高で語れない。滝は落差で語れない。の代表的な美滝であり、一番の好みの滝姿であった。
滝壺を右岸に渡渉して2段目の滝の上部に這い上がる。
お陽さんはまだ当たっていないが、それでも滝水は光輝いている。
2段目の滝口に這い上り、滝壺を見る。
岩肌のグリップは良い方であるが、ギリギリに立つのは怖い。
水量が多過ぎるのではと心配したが、丁度良い水量であり、1段目の滝だけでも黄葉と相まって絶景を見せてくれた。
更に上部に行けそうな感じであったが、下りが危険そうなので、ここまでとした。実は怖いだけ・・・
22分間の滝見を終えて復路に入る。渡渉をして右岸に戻る。
往時に道を見失い沢登りした枝沢は復路では遊歩道を辿るが、遊歩道が雨水で流されており、危険な道になっていた。
古い崩落帯の抜ける。
高巻きは遊歩道を辿れば良いのだが、下草がないのでどこでも歩けてしまう。
上流側の滝見所も行き止まりであるが、ここから往時に”五段の滝”を眺めた下流側の滝見所が見えた。少し引き返して高巻きに入る。
”五段の滝”(仮称)を上流側から見下ろすことが出来た。
名前を付けたい ”無名滝”
下流側から見た ”五段の滝” 秋季は陽が当たり難い様だ。
往時は登りなので何とか通り抜けることが出来たが、下り時は水をたっぷりと含んだ土面のグリップが得られず、かなり怖い思いをした。写真では恐怖感が伝わらないが、滑ると沢まで一直線の場所だった。今日が最悪で路面が乾燥すれば問題ないとは思う。
遊歩道が流されて現認出来ない個所も多いが、必ず遊歩道を探し出して歩く方が良い。
復路53分にて、復路時に写真を撮り忘れた林道終点に戻って来る。
最初の小滝群に戻って来た。
路肩は大きく削り取られ、ここへ土石流が流れ込んだ様である。
林道の崩壊は土石流と流木から始まっていた。
復路1時間12分にて無事?に駐車場に戻ることが出来た。
ここも大きく崩れ、まだ崩れ続けているので近寄り難い。
台風21号の爪痕